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ISO22000|FSSC22000|JFS-C|HACCPコンサルタント
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HACCPとは
Explanation of Haccp
HACCPとはHazard Analysis Critical Control Point(危害分析重要管理点)の略で、日本ではハサップ、ハセップ、ハシップなどと呼ばれており、正しい呼び方は決まっていません。
HACCPは1960年代に米国NASAのアポロ計画に於いて宇宙食製造の際、安全性確保を目的としてピルスベリー社が開発したプログラムで、1993年CODEX(コーデックス食品規格委員会)がHACCP導入のためのガイドラインを作成し各国にその採用を推奨しています。
今までの管理は食品の受入から出荷までの全ての工程において高度な衛生管理が理想とされてきました。しかし、全ての工程に於いて高度な管理を実行することは膨大な設備投資を投じる必要があり、又、全てのオペレーター(製造員)のスキルを向上させても危害ポイントをおさえることが出来ず結果を出すことが非常に困難でした。
多くの工場では製造して食品が安全であることを確認するためできあがった製品について微生物などの検査を実施していますが、この方法はあくまでもサンプルに対する検査などでこれで全てが安全であるとはいえません。
HACCPシステムによる衛生管理は勘や経験に頼る部分が多かった従来の衛生管理の方法とは異なり、食品の安全性について危害分析を行い、その危害を管理する工程を重要管理点として特定し、それを重点的に管理することにより工程全般を通して食中毒などによる危害の除去を可能にするマネジメントの手法です。
HACCPを日本語に訳すと危害分析重要管理点と訳されます。
食品の原材料の生産から完成品が消費者に消費されるまでの全ての過程に於いて食品の安全を損なう恐れのある危害は、物理的、化学的、生物学的の3種類に分類され、これら3種類の危害分析をし危害を除去する方法を決定します。
HACCPシステムで管理するハザード(危害原因物質)は食品中に存在することにより人に健康危害を及ぼすおそれのある因子で次の3つに分類されます。
(1)
物理的危害(Physical/ヒシカル)
通常は食品中に存在しない異物でその物理的な作用によって健康危害をもたらす
可能性のある物質をいいます。
瓶や照明器具などの破損に由来するガラス片、原材料及び工程で機械装置から混
入する金属片あるいは硬質プラスチックなどが対象となります。
(2)
化学的危害(Chemical/ケミカル)
食品中に含まれる化学物質による疾病、麻酔または慢性毒性の健康危害をもたら
す可能性のある物質を言います。
自然に存在する化学物質としてアフトラキシンのようなカビ毒、サバやイワシな
どある種の魚中ヒスタミン、フグ毒、貝毒、毒キノコ、アレルゲンなどが考えら
れます。また、食品添加物も食品衛生法に定められた適切な条件が守られない場
合には化学的危害原因物質になります。さらに環境汚染物質、残留農薬や食品工
場内で使用する洗剤、消毒剤、潤滑油なども上げられます。
(3)
生物学的危害(Biological/バイオロジカル)
食品に含まれる病原菌、ウイルス、寄生虫の感染、またはそれらの体内で産生す
る毒素などがあげられ、代表的な食中毒菌として、サルモネラ、腸炎ビブリオ、
腸管出血性大腸菌0157、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ポツリヌス菌、カンピ
ロバクターなどが上げられます。
寄生虫としては原虫類、鮮魚貝類に多いアニサキス菌、旋尾線虫、裂頭条虫、大
複殖門条虫のようなゼん虫類、その他獣生肉由来する肺吸虫、旋毛虫などがあり
ます。ウイルスでは小型球形のウイルス(SRSV)、肺炎ウイルスなどがありま
す。
HACCPは製造工程の危害をサイエンスベースで分析し、最終製品完成までの全危
害を製造工程内で除去するシステムを構築することで製品の安全を確保すること
が出来ます
。HACCPで対象とされる危害は製品提供時に全て除去されていることが要求さ
れます
。この中でも特に生物学的危害は自社の問題に止まらず、社会的打撃を与える
食中毒の原因となるもので交差汚染による製品への影響には細心の注意が必
要です。
HACCPでは、最も重要な危害除去工程を「CCP(クリティカルコントロールポイント)/重要管理点」と呼び、集中管理される。CCPは実施する内容や手法が明確であり、連続的なモニタリング(監視)が要求されるため、精度の高い管理の実現が可能となる。
HACCPは適切なCCP管理が出来るよう、7原則12手順により構成されている。又、Codexのガイドラインに示されている原則2から7までをHACCP計画(プラン)という文書にし、計画通りに実施しなくてはならない。
手順1:HACCPチームの編成
手順2:製品の仕様、特性について記述する
手順3:食べ方、使用方法について確認する
手順4:製造工程をフローダイアグラム(工程図)に書く
手順5:製造工程を現場で確認する
手順6:危害分析を行う
[原則1(Hazard Analysis)]
手順7:重要管理点を決定する
[原則2(CCP/Critical Control Point)]
手順8:管理基準を設定する
[原則3(CL/Critical Limit)]
手順9:モニタリング方法を設定する
[原則4(Monitorring)]
手順10:改善措置の方法を設定する
[原則5(Corrective Action)]
手順11:検証方法を設定する
[原則6(Verification)]
手順12:記録の維持管理方法を決める
[原則7(Record-Keeping and Documentation)]
原則1:危害分析
1.原材料及び製造工程における潜在的な危害原因物質を製造工程にそって列挙す
る。
2.列挙した潜在的な危害物質が引き起こす健康危害の起こりやすさや起こった場
合の程度を明らかにする。
3.さらに各の危害原因物質のコントロール方法を明らかにする。
原則2:CCPの決定
重要な危害原因物質をコントロール出来て、尚かつ必須手順、操作、工程をCCPと
し、原材料の生産と受入・製造加工・貯蔵などの食品製造の全行程における適切な
箇所に設定する。
危害原因物質のコントロールには、危害原因物質を除去、予防及び許容できる範囲
まで低減することが含まれる。例えば、1)加熱により、細菌、ウイルスを死滅さ
せる 2)病原細菌の増殖を冷蔵または冷却により予防する 2)目視検査や手作業
選別で異物の混入を低減させるなどである。
原則3:管理基準の設定
危害原因物質を管理する上で許容できるか、否かを区分する指標(パラメータ)の
基準を設定する。
適切な管理基準を決めるには、工程の温度や時間、装置内の温度分布の測定、微生
物検査を実施するなど科学的な根拠が必要である。また、リアルタイム(即時)に
管理状態を把握するため、迅速で連続的に読み取れる指標を用いる。例えば、温度、
時間、PH、水分活性、塩素濃度、塩分濃度、糖度などを用いることが多い。
原則4:モニタリング方法の設定
CCP(重要管理点)が正しくコントロールされていることを確認するともに、後で
検証できることを可能にする正確な記録方法を決める。
原則5:改善措置の決定
例えば、CCP(重要管理点)をモニタリングして指標がCL(管理基準)を越えてし
まった場合、すなわち重要な危害原因物質がコントロールされていないときに行う
措置を決定する。
HACCPシステムではCLを逸脱した製品をそのまま出荷しないで、再加熱、用途変
更あるいは廃棄することが求められる。事態に際し迅速に対応するため、この措置
は予め決めておく。
原則6:検証方法の設定
HACCPシステムがプランに従って行われているかどうか、HACCPプランに修正が
必要かどうか判定するために実施する。モニタリングに用いる計測器の校正、モニ
タリング記録と改善措置記録の点検、モニタリングの現場確認、最終製品の試験検
査などが含まれる。その他、類似の食品群で新たな食中毒が起きたとき、製造ライ
ン、製造方法または原材料などを変更した時などシステム全体を見直す。HACCPシ
ステムに欠陥や不備が見つかったときには、HACCPプランを修正し、よりよいプラ
ンにしていく。
原則7:記録のつけ方と保存
正確な記録を保持することはHACCPシステムの本質である。
この記録は、HACCPシステムを実行した証拠であると同時に、万が一食品の安全性
に関わる問題が発生した場合でも、製造又は衛生管理の状況をさかのぼり、原因追
及を容易にすることが出来る。
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